赤色立体地図で見る島根の大地

この地図は赤色立体地図と呼ばれる地図で、2002年に発明された新しい地形表現方法です。地形の起伏を立体的にとらえることができ、傾斜の急な場所ほど赤く、また高い場所ほど明るく表現されています。地形図の読み取りに慣れていない人でも直感的に地形の特徴を理解することができます。

1.青野山
 画像中央上部の津和野川の流れを見ると、直線的な谷の底を流れています。また、川の両側には三角形に切られた尾根が見られることから、断層によってできた谷だとわかります。さらにこの谷の南には青野山が位置していて、断層上に溶岩が噴出してできたことをうかがわせます。

2.三瓶山
 三瓶山の山体はおもに溶岩と火山砕屑物でできていて、外側は急斜面をなしています。一方、裾野は細かな火山灰や軽石などが堆積した平坦地が取り巻いています。周囲の山地に比べて谷や沢筋が発達していないのは、浸食や風化を受けていないためです。カルデラのおよその範囲は黄色い点線で囲んだ地域にあたります。

3.大根島
 大根島は約20万年前に噴出した玄武岩でできた火山です。玄武岩溶岩は溶岩の粘りけが小さいため、島全体が平坦な地形となっています。大根島の西方の松江平野には、嵩山と和久羅山という古い火山があります。これらの山体はおもに粘りけの大きなデイサイト溶岩でできており、大根島とは対照的に傾斜のある盛り上がった地形をしています。