隠岐独自の生態系

隠岐独自の生態系


隠岐諸島の自然の中でも、他の地域とは異なる「不思議な生態系」がみられることは特徴のひとつです。
例えば島の中には、北海道でみられる植物と沖縄でみられる植物が同じ場所に生えています。また、隠岐諸島にだけ生息する固有種がいる点は、地質的な歴史と合わせて興味深い点です。



隠岐諸島の固有種
隠岐諸島は、約1万年前に本土から切り離されて島になりました。離れてからの時間が短いため、本土と同じ種類が中心ですが、オキタンポポ、オキノウサギ、オキサンショウウオなど、いくつかの種類では、本土と違う種類に進化していると考えられています。

混じり合う北と南の植物
隠岐諸島の植物分布の特徴のひとつに、寒冷な北の地域や標高の高い場所の植物と、南の暖かい地域の植物が混じり合うことがあります。北方系の種としてカタクリやハマナス、中部山岳地方に分布するシロウマアサツキなどが、南方系の種として暖地に生えるナゴラン、ハマボウなどが上げられます。


両生類
オキサンショウウオ(成体)

哺乳類
隠岐固有の亜種として、オキノウサギのほか、オキスミスネズミ、オキアカネズミ、オキヒメネズミなどが分布しています。

昆虫
オキナガゴミムシなどの固有種のほか、オキオサムシ、アオハナムグリなどの固有亜種が分布しています。
アオハナムグリ
隠岐島前亜種(左)は黒藍色

植物
オキタンポポ、タクヒデンダなどの5種類が固有種といわれています。オキノアブラギクは、山口県でも記録があり、今後の研究が俟たれます。
オキタンポポ
オキシャクナゲ

乳杉(隠岐の島町)

南の植物
ナゴラン
ハマボウ

北の植物
ヒオウギアヤメ
ハマナス
カタクリ
シロウマアサツキ
クロベ
オオイワカガミ